公益社団法人日本演奏連盟

ソプラノ歌手／伊藤京子　Kyoko ito

1927年静岡県掛川市に生まれる。東京音楽学校（現東京藝術大学）研究科修了。1949年日本音楽コンクール第1位、翌50年にプッチーニの「トゥーランドット」日本初演時にリュー役でオペラデビュー、Ｊ．シュトラウス「こうもり」日本初演時にロザリンデ役、またモーツァルト「フィガロの結婚」全曲公演初演時にスザンナ役など数々のオペラの初演に立ち会う。その後ヴェルディ「椿姫」（ヴィオレッタ）、ビゼー「カルメン」（ミカエラ）、モーツァルト「コシ・ファン・トゥッテ」（デスピーナ）、「魔笛」（パミーナ）、「ドン・ジョヴァンニ」（ツェルリーナ）、プッチーニ「蝶々夫人」（蝶々さん）、ヴェルディ「オテロ」（デスデーモナ）、ロッシーニ「セビリャの理髪師」（ロジーナ）等の数多くのオペラで活躍。戦後の日本を代表するプリマドンナとして大きな足跡を残す。また邦人作曲家の作品に積極的に取り組み、石桁真礼生「河童譚」、清水脩「聟選び」「大仏開眼」、別宮貞雄「有間皇子」、山田耕筰「黒船」「あやめ」、小倉朗「寝太」、原嘉寿子「祝い歌が流れる夜に」等の数多くの作品に出演する。特に團伊玖磨「夕鶴」では25年にわたり、つう役を演じ、中国公演をはじめ海外公演も多数行うほか、「ききみみずきん」「ちゃんちき」などにも出演を重ねる。また日本歌曲におけるその足跡は極めて大きく、中田喜直、山田耕筰等多くの作品も録音し、2001年にはビクターから本人選曲により初のベストアルバムがリリースされた。また演奏活動とともに、国立音楽大学教授、沖縄県立芸術大学教授、名古屋音楽大学特任教授、静岡文化芸術大学客員教授として後進の育成に力を注ぐ。第5回及び第12回毎日芸術賞、第19回芸術選奨文部大臣賞、中日文化賞、紫綬褒章、日本芸術院賞、勲三等瑞宝章など受賞多数。日本芸術院会員。また静岡国際オペラコンクール審査委員長、マダムバタフライ国際コンクールin長崎、日本音楽コンクール、瀧廉太郎声楽コンクール（大分県）等多くのコンクールの審査を務める。また公益財団法人東急財団五島記念文化賞の選考委員として、1990年の創立以来2020年まで30年にわたり審査委員を務めた。公益社団法人日本演奏連盟では1996年から2015年まで19年にわたり理事長を務めるほか、芸術家会議はじめ数々の芸術団体の要職を歴任し、日本の音楽文化発展のために大きな役割を果たす。2021年7月25日永眠。

　　　　　　　　　　　　　　　「夕鶴」つう

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主催

公益社団法人 日本演奏連盟

企画協力

伊原直子、郡 愛子、永井和子

助成

NPO法人イエロー・エンジェル

後援

公益財団法人東京二期会、公益財団法人日本オペラ振興会